
~料理と同じで、準備が結果を左右する~
前回の記事では、「お餅理論」をもとに、なぜ身体を温めると肩こりや腰痛が楽になるのか、そして超音波やラジオ波などの温熱療法には医学的な根拠があることをお話ししました

今回は、その続きです
美味しい料理には「下ごしらえ」があります
自分は患者さんによく、
「施術は料理と同じですよ」
と話すことがあります
どんなに高級な食材でも、
いきなり焼いたり煮たりするだけでは、美味しい料理にはなりません
肉を柔らかくしたり、
下味をつけたり、
火の入り方を考えたり
料理には必ず下ごしらえがあります
実は、身体も同じです
「筋膜リリース」という言葉だけが一人歩きしていますが、本当に大切なのは、その前の準備です

筋膜は身体を守るネットのような存在
筋膜は筋肉を包み込み、身体全体を支えるネット状の組織です
その筋膜は、大きく分けると
- エラスチン繊維(伸びやすい繊維)
- コラーゲン繊維(丈夫で身体を守る繊維)
で構成されています

エラスチンはゴムのように伸び縮みし、身体の柔軟性を支えています
一方、コラーゲンはロープのように丈夫で、筋肉や腱、靱帯などを支え、身体を守る大切な役割を担っています
疲労が続くと滑りが悪くなる
しかし、長時間の同じ姿勢や繰り返しの負荷が続くと、筋膜の滑走性が低下し、コラーゲン繊維同士や周囲の組織との癒着様変化が起こることがあります

すると、
- 身体が動かしにくい
- 突っ張る感じがする
- 肩こりや腰痛が続く
- 関節が動きにくくなる
といった状態につながります
だからこそ、筋膜リリースという考え方が生まれました
でも、いきなり筋膜リリースでいいのでしょうか?
ここで自分は患者さんへ、こんな例え話をします
生の鶏肉を料理するとき、薄皮を剥がそうとすると、しっかり張り付いていて意外と力が必要です
一方、火が通った鶏肉はどうでしょう
薄皮は柔らかくなり、生の状態よりも扱いやすくなります

もちろん、人の身体は鶏肉ではありません。
これは**「温めることで組織の性質が変わるイメージ」**としての例えです。
ENJUDOが最初に行う「下ごしらえ」
物理療法学では、コラーゲン組織は組織温度が約4℃上昇すると、伸展性が高まることが報告されています

つまり、筋膜リリースを行う前に、
組織を温め、動きやすい状態へ整えること
これがとても重要になります
ENJUDOでは、
- 超音波+ハイボルテージによるコンビネーション療法
- ラジオ波による深部加温
などを用いて、まず深部までしっかり温めます
自分はこの工程を、
「施術の下ごしらえ」
と考えています
料理で言えば、下ごしらえをせずに美味しい料理ができないように、身体も準備が整ってこそ、その後の施術効果が発揮されやすくなるのです
次回はいよいよ「押す」ではなく「引く」という発想へ
筋膜リリースというと、「強く押す」「ゴリゴリこする」というイメージを持つ方も多いかもしれません
しかしENJUDOでは、そこに少し違った考え方があります
次回は、なぜENJUDOでは**カッピング(真空療法)**を使うのか?
そして、なぜ「押す」のではなく**「引く」という力**が重要だと考えているのかを、身近な例えを交えながらお話ししたいと思います
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