
「筋膜リリース」という言葉は、今ではすっかり一般的になりました。
皆さんの自宅にもすでに転がっているかもしれないフォームローラー、それ以外にもストレッチ、マッサージ、器具を使った施術など、さまざまな方法があります。
でも、そもそも、筋膜リリースとは、何をすることなのでしょうか?
「筋膜リリース」に疑問を持ったきっかけ
自分が筋膜リリースについて考えるようになった、ひとつのきっかけがあります。
以前、大学の先輩が経営する病院で、実際の手術を見せていただいたことがあります。
そのとき、先輩が実際の筋膜を指でグリグリと操作しながら、
「お前らが言う、筋膜リリースって、これだぞ」と説明してくれました。
それを実際に自分の目で見ました。
身体の中にある筋膜。
皮膚の上から触っているものとは違い、実際の組織として存在している筋膜です。
そのとき、「これ、そんな簡単に剥がれるものじゃないだろ」
これが、正直な感想でした。
もちろん、手術と通常の施術は同じものではありません。
手術では、実際の組織を目で確認しながら操作できます。
一方、私たちセラピストが普段行っている施術は、皮膚の上から身体にアプローチします。
だからこそ、
「筋膜リリース=筋膜を剥がすこと」
という考え方そのものを、今一度考えてみてもいいのではないか、と。
「剥がす」だけが筋膜リリースなのか?

筋膜リリースと聞くと、
「硬いところを強く押す」
「ローラーでゴリゴリする」
「器具を使って組織を刺激する」というイメージを持っている方も多いと思います。
施術としては「グラストンテクニック」や「かっさ」なども挙げられます。
もちろん、それぞれに考え方や方法があります。
ただ、身体に加える力は、「押す」だけとは限りません。
引く。
伸ばす。
滑らせる。
動かす。
身体には、さまざまな方向から力を加えることができます。
そこで自分が注目したのが、「温熱と陰圧(引圧)の組み合わせ」という考え方です。
コラーゲン繊維を「熱で動きやすくなるグリス」に見立てる
前回の記事でもお話ししたように、身体を温めることで、血流や代謝、筋肉の緊張、組織の伸展性など、さまざまな変化が起こります。

その中でも、今回注目したいのが、コラーゲン組織の伸びやすさです。
筋膜の詳しい話をするとかなり長くなってしまうので、ここでは簡単に説明します。
筋膜は、コラーゲンやエラスチンなどを含む結合組織によって構成され、筋肉などを包み込むように存在しています。
その中でコラーゲンは、組織の形や強度を支える重要な役割を持っています。
そして、このコラーゲン組織は、温度が上昇することで伸展性が変化することが知られています。
前回紹介した温熱の目安でも、
温度上昇
↓
組織の伸展性が変化
↓
動かしやすくなる
という考え方ができます。
ここで自分がイメージしたのが、機械に使うグリスです。

冷えて硬くなった状態では、動きが悪い。
でも、温まってくると、動きが滑らかになっていく。
あくまで、「温めることで、組織を動かしやすい状態に近づける」というイメージです。
ここまでが筋膜リリースに絶対条件として必要な最初のアプローチが「温熱」であり、しかも単に温めるということではなく、【3~4℃まで温度上昇させるためのアプローチが必用】だということです。
次に必要なのが物理的に「剥がす」というリリースのアプローチ方法になります。
剥がすのに押しこむ?はナンセンス
自分は、直感的に物事を考えるタイプです。
目的達成のための最短コースだけを常に考え行動します。
ですので、巷で行っている筋膜リリースというものをどうしてもナンセンスだなと思ってしまいます。
凄くわかりやすい例えをおはなしします。
調理した鳥皮の付いたチキンステーキを食べたことはありますでしょうか?
鳥皮が付いているのが嫌いな方、どうやって剥がしてますか?
まさかグイグイ押し込むってことはしないと思います。
調理されたものは比較的簡単に指でつまんで引っ張れば剥がすことは出来ますよね。
でも、調理する前の鳥皮はどうでしょう?
やったことある方はおわかりですよね。
そう、めっちゃ引っ張らないと皮を取り除くのは難しいでしょう。

ここまで説明したらもうおわかりですよね、リリースする、開放する、剥がすという狙いであれば、押し込むという物理的な刺激では不可能に近いことを、また温熱の効果により剥がしやすくなるということも、この例えばなしでご理解いただけたかと思います。
ではこの作業(指で摘まんで剥がす行為)を効率よく施術するには、どんな方法が適してるのでしょう?

カッピングは「引く」施術

カッピングでは、カップの中を陰圧にすることで、皮膚やその下の組織を持ち上げる方向に力を加えます。
一般的なマッサージが、
上から押す
というアプローチだとすれば、
カッピングは、
下から引き上げる
という、違った方向からのアプローチができます。
そして、カッピングによる立体的な組織へのアプローチを、
ENJUDOでは
3Dストレッチと呼んでいます。
もちろん、これは医学用語として確立された名称ではありません。
延寿堂独自の考え方を、分かりやすく表現した言葉です。
なぜ「3D」なのか?
通常のストレッチは、身体を一定方向へ伸ばしていくイメージがあります。
もちろん、それも身体を動かす大切な方法です。
一方、カッピングでは、陰圧によって組織を持ち上げながら、その状態でカップを動かすことができます。
つまり、「引き上げる」という方向から組織を動かしていく。

この立体的なアプローチを「3Dストレッチ」と考えています。
身体を平面的に押して終わるのではなく、
引き上げる力を利用して、組織を動かしていく。しかも同時に広範囲に行う。
これが、ENJUDOのカッピングに対する考え方の一つです。
「押す」ことを否定しているわけではない
「押す施術がダメ」と言っているわけではありません。
押すことにも、伸ばすことにも、揉むことにも、それぞれの意味があります。
自分が考えているのは、「押す」という一方向だけで身体を考えなくてもいいのではないか?ということです。
カッピング=「吸う」だけではない
カッピングというと、
「血流を良くするもの」
「跡がつくもの」
というイメージが先行しがちです。
しかし、自分がカッピングで注目しているのは、
陰圧によって生まれる「引く力」を面で捉えることのできるアプローチ方法だという点です。
ここまで話したことで、筋膜リリースに必要な条件とアプローチ法がご理解いただけたかと思います。
次回は「3~4℃温度上昇させるのに必要なアプローチ法とは?」についてお話ししたいと思います。
#筋膜リリース
#筋膜
#筋膜リリースとは
#温熱
#温熱療法
#カッピング
#カッピング療法
#吸い玉
#陰圧
#引圧
#3Dストレッチ
#ストレッチ
#身体のメンテナンス
#身体の使い方
#コンディショニング
#整体
#肩こり
#肩こり改善
#腰痛
#阿佐ヶ谷
#阿佐ヶ谷整体
#延寿堂
#ENJUDO
