医師も不思議?と効果を認める吸い玉療法の書籍の紹介

抜缶療法の臨床応用

医師が実際に吸い玉療法を行って、その効果や臨床例を挙げている書籍の紹介です。

高知県、西田順天堂内科の院長、西田 皓一先生は1977年から東洋医学専門誌である「医道の日本」に東洋医学の優れた面を紹介され、多くの鍼治療などの本を出されています。

中でも本書は、吸い玉(抜缶)療法について臨床結果や吸い玉の効果・効能を詳しく説明されています。

51PXZKkvM+L__SX350_BO1,204,203,200_

特に、吸い玉が急性疼痛疾患(腰痛、肩関節痛、膝関節痛、こむら返りや、ぎっくり腰)に即効性と鎮痛効果があることや、他の治療法の効果高める補助的な作用について書かれています。

血行や血流などの効果効能で取り上げられる吸い玉療法を、筋肉の痛みや痙攣などの鎮痛に一番効果があると評価されたのは自分の知る限りこの西田先生だけです。

自分自身も長く吸い玉をやってきて、同じ見解だったため、ものすごく参考になった本です。

西田先生は吸い玉だけでは十分な効果が得られない場合、鍼を使い相乗効果をあげています。

鍼灸師や医師にとっても安全な治療法であり、過敏性胃腸障害のために痛み止めが内服できない場合ににも、副作用もなく使用できるとも記されています。

自分は鍼師ではないので高周波等を使用していますが、根本的な考え方は同じようです。

そして、僕も全く同感なのですが、本書の中で雑感として、こんなに簡単な手技(西田先生は吸い玉療法を手技ととらえています)でしかも有効な治療法が、なぜ現在そんなに利用されていないのか?この有効性を知らないためなのか?と「不思議」という言葉で本書の最初と最後にも記しています。

今まで鍼だけで治してきたが、実際にやってみるまで臨床上こんなに効果があるとは思ってもみなかったとも書かれています。

終わりに、とても重要なことが書かれています。

それは吸い玉療法が鎮痛効果や他の疾患に対して効果があることは証明できたが、現代社会で認められるには吸い玉療法の効果機序を科学的に立証(エビデンス)されることが必用で、以下の二つのことが証明されることが望ましいということです。
1.吸い玉施術後、局所と全身の末梢血管が拡張していることを映像で証明すること。
2.吸い玉をすることで、どのように血液の変化が起こっているのか?血液レオロジーによる評価が必用。

問題はこれらの装置を購入する費用の問題とされています。

現在、赤外線サーモグラフィーはスマホに装着するタイプで3万円台からあります。
毛細血管画像観察装置はこのようなものがあります。
血液の画像観察には位相差顕微鏡があります。

上記の3つの機材は揃いました。
これだけでは不十分なので、超音波パルスドップラ血流計や血液性状分析試験を依頼できる機関も探さないとですかね。

西田先生のおはなし、聞いてみたいですね。

事実、スポーツ選手や格闘家の多くがこの吸い玉療法を取り入れ始めていますし、あの金メダリストの室伏選手が疲労回復に取り入れているというNHKのテレビ番組は非常に衝撃的でした。

19出典:クローズアップ現代より

この番組は残念ながら観ていないので詳しくはわかりませんが、単に血行促進だけを狙ってる行ってるとも思えず、スポーツ後の筋肉疲労や筋痛を抑えるために行っているのではないかと思えてなりません。

ご本人に会う機会があれば伺ってみたいところです。

もし吸い玉療法のエビデンスが証明できたらすごいことになりそうです。

 

No Comments

Sorry, the comment form is closed at this time.