04 12月 バイオメカニカル歩行・バランス評価セミナーに参加してきました
今日、神楽坂から徒歩数分の酒井医療株式会社の「バイオメカニカル歩行・バランス評価セミナー」に参加してきました。 講師はコネチカット州Bridgeport大学カイロプラティックカレッジ准教授のPerter Gorman 先生と、MICROGAIT社CEOのFederico Gori 先生の2名。 講師が外国人のため、通訳には龍谷大学 経営学部経営学科 スポーツサイエンスコース 教授 長谷川 裕先生がサポート。 このセミナーはアスリート対象ということではなく、子どもから高齢者までを含め、全てが対象となり、治療にはBalance(均衡, 平衡)、Gait(歩きぶり,足どり)、cognitive function(認知機能)が不可欠というはなし。 日本でもそうですが、アメリカでも高齢者による転倒が問題となっていて、年間800億も使われているそうです。 日本ではメタボリックシンドロームに加え、日本整形外科学会がロコモティブシンドロームを危惧して、40代からの予防を呼び掛けています。 先日、日本吸い玉協会の講習会でも「健康」という概念から講習を行い、自分が用意した内容と合致するところが多かったので面白かったです。 簡単に説明すると、ロコモとは移動のことで、運動機能の低下により自立した動き(歩行など)が困難になることを言います。 日本は世界一の長寿国ですが、平均寿命と健康寿命の違いはおわかりでしょうか? 平均寿命は日本女性がトップで87歳です。 しかし、健康寿命はちょっと違います。 健康寿命とは平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間、ヒトが心身ともに健康で自立して活動し生活できる期間というように定義されています。 実際には男女で差はありますが、健康寿命は平均寿命より10年くらいの差があるようです。 つまり87歳まで元気に生きられるのではなく、10年手前の77歳くらいから、何らかのトラブルで寝たきりや痴呆などで自立した生活が困難になるということです。 色々な研究がされていますが、今の40代、50代が最もこのような状況に陥りやすいと言われています。 実際、自分の周りでも子育てがやっと終わったと思った矢先に親の介護に追われている方を多く見ています。 平成27年国勢調査では、総人口に占める65歳以上の割合が4人に1人を超えたことが明らかになったそうです。 医療が進んだり、物質的な面でも豊かになったおかげで寿命は延びたが、それに対応できる身体がついていけないといった状況でしょうか。 だからこそうちが開業以来ずっと提唱しているからだメンテナンス、40代からの再トレーニングが必要になってくるわけです。 実際、先月自分の誕生日を迎えるにあたり、食事療法や運動療法に取り組み色々とわかったことが多々ありました。 自分が思っている以上に身体の機能が低下しています。 それを客観的に捉え、よりよい方法で改善していくことが望ましいです。 今日は色々なヒントを得ました。 忘れないうちに、いくつかわかりやすくご紹介しますね。 簡単にテストできるものばかりなので実際にやってみてください。 まず、バランスについて。 両手を広げ、片足ずつ15秒静止してみてください。 この状態ほとんどブレがなければOKです。 今回のセミナーでは単にバランスというだけの話しでしたが、もしこの状態でふらつくようですと中臀筋の機能低下が原因で腰痛が起きているかもしれません。 次に同じテストを目を瞑った状態でやってみてください。 かなりの人がまっすぐ立つことが困難になると思います。 最初のテストでは視覚(目からくる情報)による情報に助けられているが、2番目のテストでは視覚からくる情報がシャットアウトされるため、前庭器官のみの情報でバランスをとるしかありません。 更に最後は、不安定な床面、このセミナーでは専用のクッションマットを用いその上で立ってもらいました。 するとわずか1~2秒しかキープできないような状態となります。 これには足底、足裏の固有受容器が影響しているのだそうです。 ほとんどの人が無意識に立ち、歩行をしていますが、このように前庭器官、視覚、固有受容器の働きがあって成り立っているのです。 僕らセラピストはこのうちの固有受容器のトレーニングを行うわけです。 Gorman 先生は、足のアーチの問題や距骨のアライメントなどのチェックと土踏まずへの刺激の必要性を話していました。 当院で行っている足裏のカッピングがすぐにピンときました。 次にこのバランスの悪さがどの程度歩行に影響するかをテストしました。 靴を履いた状態とはだしの状態での比較をすると、靴を履いた状態のほうがブレが多くなることがわかりました。 歩行は踵が最初について、足の内反、外反の動きがあって底屈しながらつま先が床面から離れるわけですが、確かにはだしであればスムーズにこの動きはできても靴を履いてしまえば足底は固いゴム底により動きの制限を受けます。 以前、サラリーマン時代に工場の機械油の交換作業で安全靴を使用することが余儀なくされたのですが、履いたことのある方はわかると思いますが、足裏がものすごく凝ります。 足を守るために金属が入り思いのと、固いので足底の動きがほとんどおこりません。 下駄もそうですね。 基本、筋肉は動きにより血流を保ちます。 血流がなければ筋肉内の温度が低下し、酸欠状態となり痛みや冷えが起こります。 こんなテストもありました。 足を閉じて、かかとを床から離さずにしゃがんでみてください。 この画像の彼は30代の野球選手だそうです。 運動能力はそこそこ高いと思われますが、柔軟性はご覧の通りの結果でした。 他の受講生の方も同じ結果でした。 そこで自分もやってみたら、普通に座れましてGorman 先生から「excellent!」とお褒めの言葉をいただきました。(笑) 先生は突然「心臓はいくつある?」という質問をしてきました。 「グーグルで2番目の心臓とググってみろ」としきりに言ってました。 答えは「ふくらはぎ」です。 ふくらはぎの筋ポンプ運動がじゅうようだという話しです。 これまた先日の講習会でもお話しさせていただきました。 デスクワークなどで同じ姿勢をとり続けることで、筋のポンプ運動が阻害されて血行障害が起きてむくみの原因や筋の柔軟性が落ちて腰痛にまで発展するわけです。 単純に屈伸運動をするだけでも改善されます。 僕が考案したカッピングパルサーのウェーブ法では、この筋ポンプを行うことができます。 ドクターに行ったデモンストレーションやスポーツ会場でのデモンストレーションでも大人気でした。 吸引圧をコントロールすることであたかも揉まれているような感覚になります。 はなしを戻しますが、このいわゆるうんこ座りができない子が増えているということをよく耳にしますが、ひとつに生活様式の変化が影響しているのではないか?ということと、アメリカではそういう傾向が強いのかなどを質問してみたが、明確な回答はなかった。 そもそ日本人の和式トイレなど知る由もないだろうから。 ただ、自分には当たり前だったことも、生まれてからずっと洋式トイレで育った子供にはこのポーズはきついのかもしれない。 トイレの行為は毎日行うものであり、大きいほうであれば少なくとも数分はその状態を維持しなければならない。 習慣といえばそれまでのことだが、毎日となるとある意味トレーニング的な要素も多いにあると思う。 今の子供たちは洋式トイレでバランスをとりながら足で支えつつ用を足すこともなく、外で元気よく飛び跳ねてケガをすることより、室内でゲームやマンガに耽るというスタイルが昭和と大きく異なると思う。 自分は仮面ライダーを観て育ち、テレビでライダー役の藤岡弘さんが、「ライダーキックは仮面ライダーだからできるんだ、君たちは絶対真似しないように」と注意するくらい暴れたものだ。 実際、この時期の成長期の子供が飛び跳ねるという行為は下腿の長管骨の成長にとって大切なことなのだ。 もしかすると、洋式トイレから和式トイレに戻すことで子供のバランス感覚や下腿の柔軟性は向上するのかもしれない。 ちなみにうちの長男と長女は普通に座れました。 トイレは二つありますが、両方とも洋式です。 そして、これら身体機能だけが完全であっても、それを運動の中で活かすには認知が重要ということでたとえ話。 一緒に歩いてるおばあちゃんにある質問をしたら、立ち止まってから質問に答えたという。 運動と認知がバラバラで統合できていないと同時にこなすことができないということ。 スポーツの世界では瞬時にその判断を余儀なくされるわけで、この認知機能を高めることでパフォーマンス向上させるのだという。 自分もずっと身体、運動器の専門として診てきましたが、確かに最近は脳が関与することの方が多くあるということを臨床で強く感じていた。 そういう意味で今回のセミナーは色々再確認できて良かった。 これらのチェックや確認、改善法にはあれが使える、これが使えるといったものが多かったのも幸いで、今後またご紹介したいと思います。 12月は1年のうちで最も交通事故の多い月です。 出かけるときはお互いに気を付けましょう。 交通事故治療も随時行っております。 今月は2名治療中です。 体験治療も行っております。 転院等もお気軽にご相談ください。 ...